新卒でWebディレクターとして働き始めたとき、私が最初に思ったのは「結局、ディレクターって何する人なんだろう?」ということでした。
聞いたことはあるけれど、実際にどんな仕事をするのか、どんなスキルが求められるのか、イメージしづらい職種でもあります。
この記事では、私自身の経験もふまえながら
「Webディレクターって実際どんな仕事?」という疑問にやさしくお答えしていきます。
- Webディレクターの基本的な役割・仕事内容
- 必要とされるスキルや向いている人の特徴
- 実際の年収やキャリアパスの例
- Webディレクターとして働くやりがいや魅力
未経験からWebディレクターを目指す方にも、ちょっと興味があるくらいの方にも、きっとヒントになるはず!
WEBディレクターとは?
Webディレクターとは、WebサイトやWebサービスの制作プロジェクトにおいて、企画から進行・運用までを指揮する“まとめ役”のポジションです。
エンジニアやデザイナー、ライターなど専門職のスタッフと協力しながら、クライアントの目的に合ったWebサイトを完成させるために、全体の流れを管理・調整していきます。
企業やプロジェクトによって役割は多少異なりますが、基本的には「制作チームを束ねるリーダー」として、クライアントとの打ち合わせからスケジュール管理、品質チェック、納品まで幅広く関わることになります。
また、事業会社に所属する場合は自社サイトの運用改善やアクセス解析、制作会社であればクライアントとの交渉や新規提案など、担当領域にも違いがあるのが特徴です。

ディレクターって、実際にデザインやコーディングはしないの?

うん、それは基本的に専門のスタッフがやるよ!でも“何をどう作るか”を決めて、全体を管理するのがWebディレクターの役目なんだ
Webディレクターの仕事内容とは?
Webディレクターの仕事は、WebサイトやWebサービスの企画・制作・運用を統括すること。クライアントの要望を整理・具体化し、デザイナーやエンジニアといった制作チームをまとめながら、プロジェクトを円滑に進行させる役割を担います。
仕事内容は大きく3つのフェーズに分けられます。
①要件定義・企画設計フェーズ
最初のステップは、クライアントとのヒアリングです。
「どんな目的でWebサイトを作るのか?」「どんなターゲットに届けたいのか?」といった要望を丁寧に引き出し、サイトの目的・ゴールを明確化します。
要望があいまいな場合には、「アクセス数が伸びない」「問い合わせが増えない」といった課題から方向性を導き出し、企画書や要件定義書として整理。クライアントと認識をすり合わせながら、サイトの構成・コンテンツ内容・機能などを設計します。
このフェーズでは、マーケティング視点を取り入れてターゲットを定めたり、SEO施策の方向性を検討したりすることもあり、戦略立案力やプレゼン力が求められます。
②制作・進行管理フェーズ
企画がまとまったら、次は制作進行へ。Webディレクター自身がデザインや開発を行うわけではなく、各分野の専門職(デザイナー・ライター・エンジニアなど)をまとめるプロジェクトマネージャー的な役割を担います。
・スケジュールの作成(ガントチャートなど)
・チームメンバーのアサイン
・進捗・品質・コストの管理
・クライアントとのやりとりの窓口
など、全体のディレクション業務が中心です。
ただし、現場によっては「デザイナーがいない」「ライターを兼任する」などリソースが限られている場合も多く、その場合はWebディレクター自ら実務を担うケースもあります。幅広い実務スキルが重宝される職種です。
③サイト公開・運用フェーズ
Webサイトは公開して終わりではありません。
サイトが目的を果たせているか、改善の余地がないかを常にチェックし、運用・改善を行うこともWebディレクターの重要な役割です。
例えば、
・アクセス数や離脱率を見て改善案を立てる
・SEOの観点からコンテンツを見直す
・CMSの更新作業やトラブル対応
など、公開後も継続的な管理と改善を担います。必要に応じて各専門メンバーに対応を依頼し、チーム全体で改善施策を進めていきます。
Webディレクターに必要な知識・スキルとは?
Webディレクターには、プロジェクトを進行させるための「広く浅く」の知識や、チームをまとめるためのコミュニケーション力などが求められます。特に以下のようなスキルがあると、仕事をスムーズに進めやすくなります。
・WebやITに関する基礎知識(HTMLやSEOの基礎など)
・スケジュールや進行の管理スキル
・デザイナーやエンジニアとの調整力・コミュニケーション力
・問題発見力・改善提案力
とはいえ、最初から全部できる必要はありません!
私自身、新卒でディレクターになったとき、技術的な知識はゼロに近い状態でした。
でも、「知らないことを調べようとする姿勢」や「人の話をきちんと聞けること」があれば、少しずつスキルは身についていきます。
むしろ、最初から全部できる人なんていません。未経験OKの求人があるのも、その前提があるからです。
大事なのは、「学び続けられるか」「チームで動く意識があるか」です。
また、事業会社に所属する場合は自社サイトの運用改善やアクセス解析、制作会社であればクライアントとの交渉や新規提案など、担当領域にも違いがあるのが特徴です。

HTMLもデザインもわからないんだけど、未経験ムリじゃない?

大丈夫、私も最初は何もできなかったけど、わからないことを学ぶ姿勢があれば大丈夫だよ!
Webディレクターに向いている人の特徴
Webディレクターの仕事は、幅広い業務と多くの人との関わりの中でプロジェクトを前に進めること。そのため「調整力」や「柔軟性」が必要と言われることも多いですが、それってどんな人なのでしょうか?
ここでは、Webディレクターに向いているとされる性格や特徴を紹介します。
調整や交渉が得意な人
Webディレクターは、クライアント・デザイナー・エンジニアなど、さまざまな立場の人とコミュニケーションを取りながらプロジェクトを進行します。
ときには意見の食い違いを調整したり、スケジュールや仕様について交渉することも。
そのため、人とのやりとりが苦にならず、相手の立場も考えながら上手に調整できる人は向いています。
マルチタスクをこなせる人
「今日はスケジュールの調整をしながら、ワイヤーフレームの確認、ついでにクライアントへの報告メールも……」なんて日も。
複数のタスクを同時に進める力は、Webディレクターに欠かせません。
すべて完璧じゃなくていいですが、全体を見渡しながら優先順位をつけて動ける人は頼りにされます。
臨機応変に動ける人
「明日の公開に向けて準備万端!」……と思ったら、急な修正依頼。Web制作の現場では“予想外”がつきものです。
そんなときに焦らず冷静に「じゃあどうするか」を考えられる柔軟な姿勢があると、プロジェクトの安定感がぐんと増します。
細かいことに気づける人
文字のズレ、リンク切れ、ちょっとした色の違和感……。一見すると小さなことでも、ユーザーにとっては「なんか変かも」と感じるポイント。
Webディレクターは全体の品質をチェックする立場でもあるため、細かいことに気づける人はとても重宝されます。
アイデアを出すのが好きな人
Webディレクターは“ただの進行管理”ではなく、「もっとこうしたらよくなるかも」といった提案力も大事な要素です。自分のアイデアが採用されて、より良いサイトや施策が形になったときの達成感は大きなやりがいにつながります。
責任感がある人
プロジェクト全体の進行を担う立場だからこそ、ちょっとした気のゆるみが大きなトラブルにつながることも。
関係者やクライアントから信頼を得るためには「最後までやりきる姿勢」が求められます。
「頼られると燃える」「自分の仕事には責任を持ちたい」というタイプの人には特に向いています。
Webディレクターの年収について(実体験ベース)
私の場合、未経験の新卒でWebディレクターに入った時の年収はだいたい350万円くらいでした。3年目で少し上がって380万円くらいに。最近は初任給も少し上がっているみたいですが、だいたいこんな感じです。
もちろん、企業や地域、経験年数によって変わるので一概には言えませんが、未経験から始める方の目安として参考になれば嬉しいです。
Webディレクターのキャリアパス
Webディレクターの仕事を続けていくと、様々なキャリアの選択肢があります。自分のスキルや興味、目指す方向に合わせて、以下のような道があります。
キャリアの方向性の例
- 同業界・同職種での転職
スキルアップしてより良い条件や高い年収を求めて転職するケース。 - 所属企業内での昇進・年収アップ
長く会社に勤め、経験を積みながら安定的に待遇を上げていく。 - 上位職「Webプロデューサー」を目指す
プロジェクト全体の責任者として、企画・予算・交渉などより広い範囲を担当。 - Webマスター(サイト運営者)になる
Webサイト全体の運用管理に注力する道。
Webディレクターのスキルランク
- 初級
最低限のクライアントニーズを満たせる
- 中級
クライアントの要望に完全対応可能
- 上級
ビジネスモデルの提案もできる
経験を積むほど視野や対応力が広がり、上位ランクを目指せます。
上流工程を目指すキャリアパス例
- Webプロデューサー
プロジェクト全体のマネジメント、経営視点での戦略立案も担当。 - Webプランナー
サイトの企画や情報設計を行う、上流工程を担う職種。 - Webコンサルタント
クライアントのWeb戦略や改善策を提案し、ビジネス成長を支援。 - Webマーケター
集客や売上アップ施策の企画・実行。広告運用やSEOに強みが必要。 - Webアナリスト
サイトデータを分析して改善点を導き出す役割。 - テクニカルディレクター
要件定義や制作管理に加え、技術面でエンジニアと連携。
他職種へのキャリアチェンジ
WebディレクターからWebライターやプログラマー、デザイナーなどの制作寄り職種に転職する場合もあります。
ただし、上流工程に関わりたい場合は、WebプランナーやWebプロデューサー、Webマーケターが主な選択肢です。
まとめ
Webディレクターは「まとめ役」としてプロジェクト全体を動かす存在。
専門的なスキルを持った人たちと力を合わせながら、理想のWebサイトをかたちにしていく、そんなやりがいのある仕事です。
最初はわからないことだらけでも大丈夫。
学びながら、経験を重ねながら、自分らしいキャリアを築いていける職種だと思います。
「ちょっと面白そうかも」「自分にもできるかな?」と思った方は、まずはWeb業界の情報を集めてみたり、未経験OKの求人をのぞいてみるのもおすすめです。
一歩踏み出すヒントになれたらうれしいです!